デジタルサイネージは、屋内や屋外など様々な場所で活用されている情報発信ツールです。デジタルサイネージを導入する際には、画面サイズだけでなく、明るさと輝度にも注意が必要です。明るさと輝度は、デジタルサイネージの視認性や表現力を大きく左右する重要な要素だからです。
本記事では、デジタルサイネージの輝度の重要性について、初心者でもわかりやすいように解説します。
輝度とは
輝度とは、画面上の特定の部分の明るさのことです。画面全体の明るさは明るさで表しますが、画面上の特定の部分の明るさは輝度で表します。
輝度は、単位として cd/m2(カンデラパー平方メートル)が使われます。cd/m2の数値が大きいほど画面上の特定の部分が明るくなります。
明るさとの違い
明るさと輝度は、どちらもデジタルサイネージの画面の見え方に関係する言葉ですが実は意味が異なります。
明るさは、画面全体の明るさのことです。輝度は、画面上の特定の部分の明るさのことです。
明るさが低いと画面全体が暗く見え、コンテンツが見えにくくなります。輝度が低いと画面上の特定の部分が暗く見え、コンテンツの細部まで見えにくくなります。
輝度の重要性
輝度は、デジタルサイネージの視認性と表現力に大きく影響します。
視認性への影響
輝度が高いほど、画面上の特定の部分が明るく見えるためコンテンツの細部まで見えやすくなります。そのため視認性が向上します。
例えば、文字や画像を表示するコンテンツの場合、輝度が高いほど文字や画像の細部までしっかりと映し出すことができます。そのため、視認性が向上しコンテンツをよりわかりやすく伝えることができます。
また、動画や映像を表示するコンテンツの場合、輝度が高いほど動画や映像の臨場感や迫力が増します。そのため、視認性が向上しコンテンツに没入しやすくなります。
表現力への影響
輝度が高いほど、画面上の特定の部分が明るく見えるためコンテンツの鮮やかさが高まります。そのため表現力が向上します。
例えば、文字や画像を表示するコンテンツの場合、輝度が高いほど文字や画像の色彩が鮮やかに見えます。そのため、表現力が向上し、視聴者の印象に残りやすくなります。
また、動画や映像を表示するコンテンツの場合、輝度が高いほど動画や映像の色彩が鮮やかに見えます。そのため、表現力が向上し視聴者の没入感を高めることができます。
輝度の選び方
デジタルサイネージの輝度を選ぶ際には、以下の点を考慮するとよいでしょう。
- 設置場所の明るさ
- コンテンツの内容
設置場所が屋外の場合は屋内よりも明るさが必要なため、輝度が高い製品を選ぶ必要があります。また、コンテンツの内容が文字や画像の場合は、細部まで見やすいように輝度が高い製品を選ぶとよいでしょう。
具体的には、以下の表を参考にするとよいでしょう。
設置場所 | 輝度 |
---|---|
屋内 | 300cd/m2以上 |
屋外 | 500cd/m2以上 |
デジタルサイネージと光害について
デジタルサイネージの明るさと輝度は視認性や表現力を左右する重要な要素です。明るさと輝度を適切に選ぶことで、デジタルサイネージのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
しかし、屋外設置のデジタルサイネージは光害の原因になる可能性があります。
光害とは
光害とは、照明器具から出る光が目的外の方向に漏れたり、周辺環境にそぐわない明るさや色であったり、必要のない時間帯にまでつきっぱなしであったりすることで起こります。光害は以下のような問題を引き起こします。
- 天体観測の妨げになる
- 人体や生物に影響を与える
- 生活環境を悪化させる
デジタルサイネージは明るく色鮮やかな映像を表示する装置です。そのため屋外設置のデジタルサイネージは、光害の原因になりやすいと言えます。具体的には以下のような点に注意が必要です
- 明るすぎる
- 色が派手すぎる
- 周囲の環境に配慮されていない
- 夜間も点灯している
デジタルサイネージの設置を検討する際には、光害対策について十分に検討することが重要です。
光害対策の具体的な方法
- 発光部を屋内に向ける
- 遮光板やフィルターを取り付ける
- 輝度を下げる
- 夜間の点灯を制限する
また、デジタルサイネージの設置に際しては自治体などの条例や規制を確認することも重要です。
デジタルサイネージは広告や情報発信など、さまざまな用途に活用できる便利なツールです。しかし光害対策を怠ると周囲の環境に悪影響を与える可能性があります。光害対策を講じることでデジタルサイネージの利点を最大限に活かしながら、周囲の環境にも配慮することができます。
まとめ
デジタルサイネージの明るさと輝度は、視認性や表現力を左右する重要な要素です。周辺環境に配慮した明るさと輝度を適切に選ぶことで、デジタルサイネージのパフォーマンスを最大限に引き出すことができます。
また、街灯が無い場所では、暗い夜道をデジタルサイネージの光で明るくしてくれる効果も実際にあります。